王立宇宙軍ごっこ
GXロケットたんのおさらい。
2002年に開発スタート。当初は2005年に試験機を打ち上げる予定だった。
2006年「中型ロケットはGXでいくから、M-Vロケットは廃止ね」
が、開発は難航し、2008年になってもモノが見えてこない。
「どうなってんのよ?」
巷でヤバイヤバイ言われていた計画がどのくらいヤバかったかというと、
・開発費 = 当初予定の三倍以上
・一機あたりの値段 = H-IIAより高くなりそう
・打ち上げ能力 = H-IIAの半分くらい
「そんな子、早く流してしまえ」と考えるのが普通で、宇宙開発委員会でもフルボッコ。
「H-IIAでいいじゃん」「早く損切りしようぜ」ということで2008年5月に開発中止が勧告
される。
が、その勧告は無視され、開発は継続。
時の政府の実力者が「GXロケットで偵察衛星とか上げる予定だから、安全保障上
必要ね」と突っぱねたからだ。
確かに、GXロケットのスペックは、現用の情報収集衛星を打ち上げるのにぴったり
だ。でも、H-IIAなら同じ値段で同時に二機上げられますよ? 成功率93%のロケット
と、実績ゼロのロケット。どちらを使ったほうが堅実かはあきらかだ。
安全保障などというのは建前で、開発に参加したメーカーに泣きつかれたというのが
本当のところじゃないかと邪推もしたくなる。
そんなこんなで「官民一体で、リーズナブルなロケットを、短期間で作って、衛星打
ち上げビジネスに参入しようぜ」というGXロケットのコンセプトは破綻。
引導を渡してやれるまでに、随分と時間がかかりました。
以下、王立宇宙軍の一コマをお楽しみください。
将軍「では……しかし……何故今回の計画をここまで?」
高官「物事には綺麗な終わり方があるだろう。王室、陸軍省、軍の創設には様々なとこ
ろが絡んでいる。みな後悔は十年も前にすませた。あとはどうやって忘れるかだ
けだ。役にたたなかったでは終えられんしな」
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コメント
GXロケットに対する恨み辛みはさておき、
ようやく開発の目処がついたLNGエンジンは、
なんとかモノにしてやれないかなぁとは思う。
LNGエンジンの特性を最も有効活用できる
ステージは、H-IIAロケットのLRB(液体ブース
ター)とか、次世代基幹ロケットの一段目なん
だろうけど、そんな大掛かりな開発費用を
捻出できるはずもなく。
二段目以上で小規模な実証試験はどうだろう?
かといえば、日本には(アメリカも欲しがる)
世界最高性能のLE-5Bというエンジンがあっ
てのう。
なかなか入り込む余地が無いのである。
エンジン単体で売るにしても、実証ステージ
は必要だしなあ……。
投稿: DE MAKI | 2009.11.18 07:35
判り易い説明、ありがとうございました。
投稿: は~ | 2009.11.18 11:05